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キットの解説等
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ドラゴン1/144のキット 「AGGRESSORS F−5E VFC−111&F−5F VFC−13」についての個人的感想


1/144キット作り比べ!
せっかく久しぶりの新キットが出たことですし、作ってみようと思います。と、そのまま作っても面白くないので、傑作と名高いレベルのものと作り比べていこうかと思います。
結論から言えばレベルのキットのほうが出来がいいです。間違いない。でも、このスケールと言うことを考えるとドラゴンも十分製作に耐えうる出来だと思います。ようはこのサイズにどこまで求めるかですね。
まずはコクピット。パーツの構成から見てみます。

ドラゴンはおなじみの”棒人間”が一体になった変なかたまり一つだけ。これはいくらなんでも作り直さないとしょうがないな・・・。

対するレベルは4点。一般的なコクピットパーツの構成。このスケールだとここまであるだけでいい出来だと言うのがわかります。しかもシート(もう一息!)や操縦桿はしっかりF−5していてすばらしい。本気度がうかがえます。
作りやすいレベルから製作。シートは初期のヘッドレスト部分がすっきりしたタイプなので、張り出しのついた新型タイプのシートにすべく、ヘッドレスト後部にプラ板を貼ってそれらしくしました。
まじめにやるなら一から作り直すところですが、このスケールならこのくらいで十分でしょう。

こちらは全面的に作り直しです。
まずは下部のパーツに床をつけ、プラ板でそれらしく作ったシートを取り付けました。
サイズはレベルのものを参考にし、頭部が大きな後期型のノースロップシートにしています。
今回はパイロットを乗せたいので、他から持ってきたフィギュアを小改造して製作。
大股に開いた脚を閉じて、マスクをつけてそれらしく
複座の前席以外のサイドコンソールは上部パーツに取り付けです。
あまりよく見えないから、ただ適当な長さに切ったプラ板を貼っただけです。
アドバーサリー機にするので、ヘルメットには赤い星を。
ちょっとした遊び心です。
で、塗装するとこんな感じ。結構それらしくなってるでしょ?
このスケールならこれで十分だと思います。やりすぎると疲れちゃいますからね。
胴体製作
ここも当然レベルのほうがいいです。 しかしどちらもスジ彫りが入ってますし、素材としては合格点ではないでしょうか。
全体的なモールド、出来に関してはレベルですが、唯一翼が厚いのが欠点。削ればいいことなんでたいした問題ではありませんが。
その点ドラゴンは中途半端で不正確なスジ彫り。調べながら主なラインを彫りなおす必要がありそうです。しかし薄さはこちらの勝ち。シャープさではドラゴンのほうが上です。
てな具合にドラゴンがコクピットで手間取っている間に、レベルはすでに機体の組み立てが完了。
各合わせ目を整形していきます。
背中のブレードアンテナをとったり、シャークノーズ気味のレドームを修正したり、結構やることありそうです。
胴体接着。
どちらも機首部分と胴体の合わせ目に大きく段差ができます。ここは丁寧に処理していかないと。
段差が出来た場合、膨らんだ部分を削るかへこんだ部分にパテを盛るか考えますが、今回はキャノピーに綺麗につながるように、キャノピー基準で整形していきます。
胴体にパテ盛ってる間に主翼を見てみましょう。
まずは反対向きについてる翼端ランチャーを切り離して、薄くしていきます。
当然薄いほうがいいのでしょうが、このスケールではここだけ薄くしすぎても返ってバランス悪そうなので、あまりやりませんでした。厚さは半分くらいかな。
主な改修ポイントは機首に集中しています。
・ピトー管を真鍮に変更 ・機首下面のアンテナを作り直し ・インテイク脇のライト部分を追加など。
あとは各合わせ目を丁寧に処理していきます。

水平尾翼が突起部などなくてただ貼りつける形で、強度が心配なので、金属線を入れて補強しました。
脚を比較。右がレベルで左がドラゴン。
レベルは主脚が分割されていて、横に張り出す支柱もパーツ化しています。えらい!
ドラゴンはいったいですが、モールドはこちらのほうがはっきりしています。
このスケールなら一体でもそれほど問題なく、決してドラゴンも負けていないのでは。
個人的には作業の楽なドラゴンに好感を持ちます。
前脚の長さが違うのは収納部の深さの違いの為。ドラゴンはほとんど深さがありません。
こちらはエンジン。上がドラゴンで下がレベル。
深さ、モールドはほぼ同じようなものですが、ドラゴンは肉厚ですね。
先がすぼまり気味になっていたり、形状はレベルの勝ちです。
ちょっとわけあってレベルを優先的に製作してきたので、こちらは機体の組み立てが完成。
全体にサフ吹きをしたところです。
通常の形状のノーズや小面積化したLEXなど、製作予定のアドバーサリー機仕様にしています。
で、いきなり機体塗装が終了。
今回はレベルの箱絵のイメージでブルー系の迷彩にしました。
この色、資料を見るといろいろな説があってどれが正解?って感じでとても悩みました。
1、・FS35109 ・FS35190 ・FS35375
2、・FS35164 ・FS35237 ・FS36307
3、・FS35164 ・FS35109 ・FS35414
4、・FS35414 ・FS35190 ・FS35164 ・FS35622
など。このうち今回は1番の組み合わせです。TWOBOBSデカールのVFC−13の色指定が元です。同じ海軍部隊なので、間違いではないかなとの解釈で。
FSカラーチャートを参考に調色し、一度塗ってみてお互いのバランスを確認しつつ、ある程度調整しています。と、軽い退色表現をしています。

それにしても説明書の塗りわけ指定を参考にフリーハンドで吹きましたが、このパターンて空軍のアグレッサーのものですよね?海軍の場合は決まったパターンがなく、各機違ったパターンのはずですが、この機体自体の写真が見つからなかったので、説明書どおりに塗りわけしています。
   ?
なんかイメージが違う・・・。青が明るすぎる気がしました。
そこで中間色のブルーをもっと暗めの色に調色しなおして、思い切って塗りなおしました。
さらにそれぞれ退色表現を軽く入れて、小さいながらもだいぶ雰囲気が出てきたようです。

私のような考証派はどうしてもイメージより資料を優先してしまう傾向にありますが、やはり写真などをみた時の色に塗ったほうが、自分的にもシックリくるんですよね。
”考えずに感じる”ことを優先ってことかな?
機体の塗装が済んだところで細部の塗装をしていきます。
海軍・海兵隊のアドバーサリー機は、足回りを白で塗装しているのが多いので(空軍等、通常はシルバーのまま)、これは海軍機ですというアピールの意味でも白で塗装しています。

キットで省略されているアレスティングフックのフック部分を追加したり、主翼、翼端ランチャー、尾翼などの各ライトを塗装したりとちまちま作業が続きます。
面倒でもこういった小さな色を入れていくと、精密感が出ますね。
ご覧のようにすでに完成していますが・・・。
デカール貼りです。今回はキットに付属しているものをそのまま使用しました。
硬めでクリア部分も少し濁っていたり、見た感じ不安になるデカールですが、実際貼ってみると何とか使用に耐えてくれました。マークソフターやセッターにも犯されず(あまり柔らかくもなりません)問題なく貼り終えました。

ただ一つ。このマーキング、基本的には海軍の部隊である”VFA−127”のものであるようですが、なぜか後部胴体につくマークが”MARINES”になっています。これは間違い。
ドラゴンのキットから”NAVY”を持ってきて貼りました。また、インテイク脇につく国籍マークもありません。今回は手持ちがなかったので、未記入です。
武装はセンタータンクとサイドワインダーの模擬弾及びデータポッドです。
翼端に青とかオレンジが加わるとアクセントになっていい感じです。
で、一足お先にレベルF−5Eの完成です!
軽く汚しをしているので、ベースも情景風にしてみました。
やはり完成してみると完璧にF−5してます。ほぼストレート組みながら、このスケールでここまでのものができるのはすばらしい。全スケール通じても1,2位を争う出来のキットだと思います。

それにしても・・・
F−5Eはスマートで美しいね・・・。


〜SINCE2007.4.26・・・〜

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